健康診断の結果表を見て、血圧の欄に並んだ二つの数字が何を意味するのか、少し迷った経験はありませんか。血圧は多くの健診で必ず測られる基本的な項目でありながら、日によって変わりやすく、少し高いだけで不安になってしまう方も少なくありません。この記事では、健診で示される血圧の数値の見方から、上と下の数字それぞれの意味、そして「高め」と言われたときに家庭でできるセルフケアの工夫までを、できるだけやさしく整理してお伝えします。数字とうまく付き合うための手がかりとして役立てば幸いです。
健診で示される血圧の数値の見方
血圧は「120/80」のように二つの数字で表されます。左側の大きいほうが収縮期血圧、いわゆる「上の血圧」で、心臓が縮んで血液を送り出すときに血管にかかる圧力を示します。右側の小さいほうが拡張期血圧、「下の血圧」で、心臓がゆるんで血液をためているときの圧力です。単位はいずれもmmHg(ミリメートル水銀柱)で表記されます。
健診の結果表では、この数値をもとに判定区分が付けられていることが多く、基準の範囲内か、少し高めか、医療機関での確認が望ましいかといった段階で示されます。ただし判定の基準や表記は実施機関によって少しずつ異なるため、まずは結果表に添えられた説明や凡例を確認することが大切です。数字だけで一喜一憂せず、どの区分に当たるのかを落ち着いて読み取りましょう。
上と下の血圧が示すもの
「上だけ高い」「下だけ高い」といった状態が気になる方もいます。上の血圧は加齢とともに上がりやすい傾向があり、血管の弾力の変化を反映しやすいといわれます。一方で下の血圧は、比較的若い年代でも生活習慣の影響を受けて高くなることがあります。どちらの数字も体の状態を映す手がかりであり、片方だけを見るのではなく、二つを合わせて眺めることが大切です。
また、一度の測定値だけで判断しきれないのも血圧の特徴です。緊張や気温、測る前の行動によって数値は変わります。健診当日にたまたま高く出ることもあれば、逆に低めに出ることもあります。気になる数値が出たときは、その一回だけで決めつけず、日をあらためて複数回はかった値の傾向で見ていくと、自分の状態をより正しく理解しやすくなります。
家庭での血圧の測り方のコツ
健診の値が気になるときは、家庭での測定を習慣にすると変化を追いやすくなります。落ち着いた環境で、正しい手順ではかることがポイントです。以下のような点を意識してみてください。
- 朝は起きて排尿を済ませ、食事や服薬の前に、座って1〜2分ほど落ち着いてからはかる
- 夜は就寝前など、毎日なるべく同じ時間帯にはかる
- 背もたれのある椅子に座り、腕帯を心臓と同じ高さにして、足を組まずに測定する
- 測る直前の喫煙・カフェイン・運動は避け、話をせず静かに待つ
- 測った値は日付とあわせて記録し、変化の傾向がわかるようにしておく
記録した値は、受診の際に持参すると医師が状態を把握しやすくなります。家庭で落ち着いてはかった値は、健診の一回きりの測定を補ううえで役立つ情報になります。
血圧が高めと言われたときのセルフケア
健診で血圧が高めと指摘されたとき、まず見直しやすいのが毎日の生活習慣です。塩分の摂りすぎは血圧に影響しやすいとされており、汁物を薄味にする、加工食品や漬物を控えめにする、調味料を使いすぎないといった減塩の工夫が基本になります。あわせて、野菜や果物を適度に取り入れ、栄養のバランスを整えることも大切です。
体を動かす習慣も役立ちます。ウォーキングのような無理のない有酸素運動を続けることは、体重の管理や生活のリズムづくりにつながります。このほか、適正な体重を保つこと、お酒を飲みすぎないこと、たばこを控えること、睡眠をしっかりとって過度なストレスをためないことも、血圧と上手に付き合ううえで意識したい点です。いずれも一度に完璧を目指す必要はなく、続けられそうなことから少しずつ取り入れていくのがコツです。
受診を考える目安
セルフケアはあくまで日常でできる工夫であり、すべてを自己判断で進めるのは避けたいところです。健診で医療機関での確認を勧める区分が付いていた場合や、家庭ではかっても高めの値が続く場合には、早めに内科などへ相談することが望ましいといえます。血圧に関わる状態は自覚症状が出にくいことも多く、数値の変化が体からの早めのサインになっていることがあるためです。
受診の際は、健診の結果表と家庭で記録した血圧をあわせて持参すると、その後の相談がスムーズになります。治療が必要かどうか、生活習慣の見直しでようすを見るのかといった判断は、自己流で決めず専門家と相談しながら進めると安心です。血圧や高血圧についての基礎的な情報は、日本高血圧学会の情報もあわせて確認してみるとよいでしょう。
※本記事は医療アドバイスではありません。気になる症状や数値がある場合は医療機関を受診してください。